集客・販売目的のホームページにおいて、コンバージョン件数とコンバージョン率(CVR)はともに最も重要な指標。日々改善に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、これまで私たちがクライアント様や自社(または系列)のホームページで効果のあったコンバージョン改善策を、具体例を挙げながら5つのポイントに絞って紹介します。もし、まだ実行したことのないものがありましたら、ぜひ試してみてください。
このページの目次
《1》質の高いアクセス(トラフィック)を増やす
コンバージョンを増やすためには、母数であるアクセス数を増やすことが肝心です。ただし、ただやみくもに数を集めても効果はありません。大切なのは、高い確率でコンバージョンが見込める、いわゆる「質の高い」アクセスを増やすことです。
もし、ある程度の規模で広告を実施しているにもかかわらずコンバージョンが少ないなら、質の低いアクセスを集めてしまっている可能性があります。改善するには、広告の精査が必要です。
指標となるのは広告のコンバージョン率。複数の媒体に出稿しているならコンバージョン率の高い媒体に絞る、リスティング広告ならコンバージョン率の高いキーワードにコストを割く、といった改善を行うことで、アクセスの質の改善を図ることができます。
《2》警戒心や思い込みを解消する
知らない会社や商品・サービスに対しては、誰もが多かれ少なかれ警戒心や不信感を抱いてしまうものです。また、業界やビジネスに対して勝手な偏見や思い込みを持たれている場合もあります。ホームページのコンバージョンを増やすためには、こうした心理的なハードルを先回りして下げる工夫が必要です。
具体的な方法を2つ紹介します。
(1)人の顔写真を載せる
ユーザーにとって、商品の作り手や売り手の顔がわかるほど安心できることはありません。「1枚の写真は1000の言葉に勝る」という言葉もありますが、特に世間で堅いイメージの業種や店舗、B to Bビジネスなど、顧客と直接対面するビジネスの場合は必須と言っても良いでしょう。
もちろん安心感はコンバージョンにも影響します。アメリカの広告会社による、人間の顔が入っている広告は入っていない広告よりも177%コンバージョン率が高い、という調査結果もあるほどです。
掲載する「人」は経営者でもスタッフでも構いませんが、顧客志向をアピールしたいのであればたくさんのスタッフを載せる、専門性が売りなら内部または外部の専門家をメインに置くなど、目的に合わせた見せ方をするのがポイントです。
(2)先回りして答えておく
- 「資料を請求したら営業電話がしつこいだろうな…」
- 「あまり大きな企業じゃないから、個人情報の漏洩が心配だな…」
- 「注文したいけど、またあの長ったらしい注文フォームに入力しなければならないのか・・・」
このような想定されうるユーザーの思い込みに対しては、「しつこい電話はいたしません」、「フォームの送信はSSLで保護されています」、「申し込みは〇分で終わります」と先回りして答えておくことが大切です。コンバージョンがメルマガ登録の場合は、「いつでも購読をキャンセルできます」という文言も有効です(もちろんその通り実行していなければいけませんが)。
《3》お客様の声・導入事例を効果的に使う
広告では欲しいと思わなかったのに、SNSで「買って良かった!」という投稿をいくつも目にするうちに思わずポチってしまった、という経験を持つ方は多いのではないでしょうか。それほど顧客の声というのは強力にコンバージョンを後押しするパワーを持っています。もちろんホームページでも必須のコンテンツです。
ただし、何の工夫もなく掲載しても効果は期待できません。SNSの投稿とは違い、ホームページはあくまで企業発信。ユーザーも簡単には信じてくれないからです。変な言い方に聞こえるかもしれませんが、ホームページで顧客の声を掲載する際は「いかに顧客本人の声らしく見せられるか」が重要です。
ポイントは次の4つ。
(1) 顧客情報はできるだけ詳しく表記する
個人の場合は住所(地域に根差したビジネスなら市区町村まで)・氏名(難しい場合はイニシャル)・年齢、企業の場合は社名・担当者の部課名・氏名まで載せたいもの。詳細に記すことで、本人の声らしく見えるだけでなく、属性の近いユーザーの興味・関心がアップするというメリットもあります。もちろん写真も載せられるとベストです。
(2) 直筆または手書き風フォントを使う
個人の体験談の場合は、直筆(アンケート用紙などの画像)か手書き風フォントを使うと、本人の声であるという信ぴょう性が高くなります。通常の整ったフォントよりも目に留まりやすいというメリットもあります。
(3) 商品・サービスの感想は具体的に表現する
「売上がアップした」「元気になった」のような、ぼんやりした感想では真実味が感じられませんし、商品・サービスの良さも伝わりません。できれば、「売上が前年比〇〇〇%アップ」「毎朝駅までの〇kmの道を歩くのも苦になりません」というように数字を使うか、使える数字がない場合は、「以前は売上に振り回されていましたが、今では安定し、経営者本来の仕事に取り組めるようになりました」といったように具体的に表現することが大切です。顧客へのヒアリングやアンケートの質問内容にも注意しましょう。
(4) あえてネガティブな声も載せる
絶賛の言葉ばかりが並んでいると、反対に不信感を持たれてしまう恐れがあります。もちろん商品やサービスを貶めるような言葉は不要ですが、「最初は効果があらわれず不安だった」「導入に際しては周囲から賛同を得られなかった」くらいのネガティブな声も混じっていた方が、より信ぴょう性が感じられます。
《4》CTA(クロージング)を強化する
CTA(=Call To Action:コール トゥ アクション)とは、商談や営業で言うクロージングのこと。コンバージョンを増やす上で最も重要な部分と言えます。ここでは3つのポイントを紹介します。
(1)今すぐ購入・申し込みすべき「理由」を伝える
デンマークのリサーチ会社Baymard Institute社の調査によると、アメリカのECサイトにおけるカート離脱率、つまり決済直前で購入をやめるユーザーは、なんと全体の約3分の2にも上るのだとか。
これはカートのないホームページも無関係ではありません。同じようなコンバージョン直前での心変わりを防ぐためには、緊急性を演出して、「今すぐ」アクション(購入・申し込み)するよう促すことが大切です。
最もポピュラーな手法は、「〇月〇日(〇)まで××%OFF!」「数量〇〇〇個限定」のように、「限定感」や「希少性」をアピールすること。ただし、それだけでは説得力に欠けたり、押し売りのような印象を与えたりしてしまうケースもあります。できれば、「限定の理由」や「早急に申し込む必要性」まで伝えられるとベストです。
- 今すぐのアクションを促す文章例
「『信州夏野菜セット』は、契約農家様のご協力により、今回特別に仕入れることができた商品です。そのため50セット限定の販売とさせていただいております」
「この無料セミナーは先着20社様限定です。前回は5日で満席となりましたので、早めのお申し込みをおすすめします」
他にも、下の例のように商品への注目度の高さをリアルタイムで表示することで、暗に早期決断の必要性を訴えているサイトもあります。
(2)オファーを見直す
オファーとは簡単に言うと特典のことで、コンバージョンを大きく左右する重要な要素です。しかし、往々にしてユーザーにとって魅力的ではない=特典の意味をなしていないオファーも多く見受けられます。効果が見られないようであれば、一度見直しを検討するのも良いでしょう。
オファーには次のような種類があります。
- 金額オファー…「初回サービス無料」「今だけ〇〇%OFF」など
- プラスαオファー…「今なら〇〇プレゼント付き」「ビール1杯無料」など
- 条件付きオファー…「〇回以上ご来店で〇〇%OFF」「家族・友人割」など
- 保証オファー…「効果がなければ(満足しなければ)全額返金保証」など
オファーの設定で難しいのは、金額的なお得感が必ずしも反響につながるわけではないところ。あまりにも無料を推しすぎると警戒心を与えてしまうことがありますし、品質が強みの商品・サービスの場合、安売りのイメージがついて逆効果になってしまいます。また、無料や安さで集客した顧客はリピートにつながらないことが多く、「コンバージョンは増えたのに、売上(LTV)はたいしたことない…」という事態が往々にして生じます。
さらに、あるクライアントの通販会社の「無料サンプルプレゼント」よりも「無料モニター募集」の方が格段に反響が高かった、という事例が示すように、同じ内容であっても伝え方によって反響が変わることもあります。どんなオファーが魅力的なのかはユーザーに聞いてみるのが一番。思うようにコンバージョンが増えない場合はテストを実施するのがおすすめです。
(3)CTAボタン(アクションボタン)の文言を具体的にする
クリックすると注文・申し込みフォームへと移るCTAボタンの文言は、ユーザーを後押しできる最後の部分。中にはあっさりと「お問い合わせ」「お申し込みはコチラ」とだけ記されたボタンも見かけますが、それでは効果が期待できません。ポイントは下の例のように、クリックする目的を「購入する」「申し込む」のような、「動詞」を使って具体的に記すことです。
後ほどご覧いただければと思いますが、あのAmazonの商品ページのCTAボタンも、同じように「カートに入れる」「今すぐ買う」「ほしいものリストに追加する」と動詞を使って書かれています。さらに、左側の下の例のように、クリックの目的だけでなく商品を購入するメリット(「お得に」)まで伝えられるとよりパワフルです。
《5》リピート訪問できる/したくなる仕組みを作る
B to B向けサービスや高額商品など、購入までにある程度の検討期間を要し、一度の訪問でコンバージョンの獲得が難しい商材を扱うホームページの場合は、ユーザーが再訪問しやすい、または再訪問したくなるような仕組みを作っておくことも大切です。「お気に入り登録ボタン」を設置することもその1つですが、ここではそれ以外のポイントを2つ紹介します。
(1) 関連性の高いリスティング広告を上位に表示させる
最初の訪問でお気に入り登録しなかったユーザーは、リピート訪問の際もキーワード検索でサイトを探します。その時、検索結果のページ上部に競合他社のリスティング広告が表示されていれば、そのまま顧客を奪われてしまいかねません。そうした事態を防ぐためにも、社名や商品名の指名系キーワードはもちろんのこと、商品・サービスに関連度の高いキーワードは常に上位(できれば1位)に表示させておきたいところです。
広告関連で言うと、他にも一度ホームページを訪問したユーザーに対して、追いかけるように行く先々のサイトに広告を表示する「リマーケティング」という手法もあります。あまりしつこく表示させると嫌われてしまう恐れもあるため設定には注意が必要ですが、リピート施策の一環として検討してみても良いでしょう。
(2) 質の高いコンテンツを定期的に追加する
普通、ホームページの「質」は、SEO(検索エンジン最適化)において言及される事柄ですが、コンバージョンを増やす上でもやはり重要です。内容の薄いコンテンツばかりで商品を売ろうとするのは、前段の説明もほどほどに「買って、買って」とアピールする営業マンのようなもの。売れるわけがありませんし、ユーザーもまた訪問したいとは思わないでしょう。
質の高いホームページとは、言い換えると、ユーザーが「自分の悩みや問題を解決してくれそうなサイト(会社・商品)だな」と感じるホームページのこと。そのためには会社や商品の紹介だけでなく、ユーザー(ターゲット)の興味・関心に合わせた専門的かつわかりやすいコンテンツも必要です。現在、規模を問わず多くの企業がブログ一体型のホームページを作ってブログで情報発信しているのも同様の理由によります。
また、コンテンツは定期的に追加することも大切です。ホームページの更新頻度が少ないと人気のない企業という印象を与えてしまいますし、反対に定期的に更新していることがわかれば、一度訪問して興味を持ったユーザーが定期的に訪問する理由にもなるからです。
まとめ
今回は、ホームページのコンバージョンを増やすためのポイントを紹介してきました。
記事中でも何度か触れたように、ユーザーにモノを売ったり行動を起こしてもらったりするために大切なことは、リアルでの営業や実店舗での販売とそれほど変わりません。ただしWebでは直接対面できない分、文章においてもデザインにおいても、よりユーザーの立場に立った伝え方・見せ方を考える必要があります。
また、今回は触れられませんでしたが、ホームページのコンバージョン向上に欠かせないセールスライティング(セールスコピー)について、こちらの記事で紹介していますので興味のある方はご覧ください。
もし、自社だけでは改善が難しい、プロの意見も聞きたいという方がおられましたら、ぜひ私たちにもご相談ください。下の「お見積もり」ボタンをクリックしていただくと、弊社電話番号とお問い合わせフォームを掲載したページに移動します。どんな些細なご質問でも結構です。ご連絡を心よりお待ちしております。