「自社でもランディングページ(以下:LP)を作りたい」という方に向けて、LPを制作する際の注意点やコツを紹介します。
LPの目的はいたってシンプル。ずばり、コンバージョン(販売、申し込み)です。そのため、コピーやビジュアルはもちろんのこと、クリエイティブのすべての要素が、ユーザーをスムーズにコンバージョンへと導くように設計しなければなりません。紹介するのは絶対に欠かすことのできない基本的なものばかりですが、「LPを作ったものの効果が出ない…」と悩んでいる方にも参考になるはずです。
このページの目次
要注意!LPには2種類ある
LPのクリエイティブには、大きく分けて「画像中心型」と「テキスト中心型」の2種類あります。画像中心型は写真や色をふんだんにあしらった見た目にインパクトのあるタイプ。一方のテキスト中心型は、セールスライティングと呼ばれる手法で書かれた、文章中心の読ませるタイプのクリエイティブです。
LPを制作する際は、つい見慣れたデザインを参考にしてしまいがちですが、クリエイティブのタイプによって相性の良い商品と悪い商品があるため、注意が必要です。
画像中心型LPと相性の良い商品
- 効果がビジュアルで表現しやすい商品(例:美容系商品)
- シズル感や臨場感のアピールが効果的な商品(例:食品) など
テキスト中心型LPと相性の良い商品
- 価値や信頼性のアピールが重要な商品(例:B to Bサービス)
- 認知が低いジャンルや商品(例:ビジネス系セミナー)など
ただし、これらはあくまで一般的な相性であって、コンバージョンの種類(販売/資料請求etc.)などによっても変わります。迷った場合は他社のやり方を参考にするか、LP制作の経験が豊富な業者に相談しても良いでしょう。
なお、テキスト中心型LPに必要なセールスライティングについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
LPのクリエイティブに欠かせない3つの「NOT」
広告にも3つの「NOT」(ユーザーは広告を読まない・信じない・行動しない)という有名な原則がありますが、LPにおける3つの「NOT」は、ユーザーを離脱させないクリエイティブを作るために私たちが独自にまとめたルールです。
それが次の3つ。
- 疑問や不安を与えない
- 迷いを与えない
- ストレスを与えない
1つずつ解説していきます。
不安や疑問を与えない
不安や疑問などのネガティブな心の動きは離脱の大きな要因になります。一番やってはいけないのは大げさなコピー、または情報不足で商品に対する不信感を与えてしまうことですが、デザインにおいても注意は必要です。例えば下のような例もその1つ。
LPを訪問した際に最初にディスプレイに表示される画面を「ファーストビュー」と呼びますが、そのコピー(訴求)とビジュアルが誘導元の広告とまったく違います。これではユーザーに「違う商品のページに誘導されたのか…?」と不安を与えかねません。LPのデザインはデザインのためのデザインではなく、広告から来たユーザーをコンバージョンへと導くためのもの。必ず広告の内容と関連させて考えることが大切です。
迷いを与えない
何かのキーワードを検索した際、検索結果画面に似たようなタイトルのサイトばかりが並んでいて、どれを選んだら良いか迷ってしまいページを閉じた経験はないでしょうか。LPにおいても同様に、ユーザーを少しでも迷わせてしまうと離脱につながってしまいます。
下の右側の例のようなアクション(注文)ボタンの並べ方も危険です。
広告ではお試し商品のみを宣伝し、LPでアップセルによる客単価アップを狙うという戦略はよく見かけますが、このように同じようなボタンが並んでいてはユーザーを迷わせてしまうだけです。せめて色やサイズを変えて強弱をつけるか、アップセルそのものは他の場所(例:カート内)で提案するほうが効果的です。
迷わせないということで言えば、商品のアピールポイントはダラダラ並べず絞って伝える、余計なページへのリンクは貼らない、といった心がけも大切です。ユーザーはあくまで広告の商品に興味を持ってLPを訪問しています。売り手側の都合は極力排して、ユーザーが最短距離で欲しいものに到達できるクリエイティブを目指しましょう。
ストレスを与えない
ユーザーにとって、購入や申し込みを決意したにも関わらず、次のステップがわからない時ほどイライラすることはありません。例えるなら、スーパーで買い物をしていてレジの位置が分からないようなもの。よっぽどその店で購入する理由がなければ、購入を止めてしまう人もいるでしょう。
LPの場合で言うと、下の右の例のように、目立たず、数も少ないアクションボタンがそれに該当します。
ベストは左側のように目立つ色にしてファーストビュー内に配置すること。一目で場所がわかりますし、広告の段階で購買意欲の高いユーザーをそのまま誘導することもできます。B to B向けの商品の場合は当然電話番号の記載も欠かせません。
ユーザーのストレス対策としては、他にも注文(応募)フォームの入力項目を減らすなど、「エントリーフォーム最適化(EFO)」施策も有効です。
LPの効果を向上させる3つの秘策
最後に、秘策というと少々言い過ぎかもしれませんが、LPで成功するために効果的な3つの戦略を紹介します。
キーワード別にLPを出し分ける
リスティング広告からLPに誘導する場合、ターゲットニーズの異なるキーワードから同じLPに誘導していると、どうしてもキーワードの成果に差が出てきますし、 LP自体のコンバージョン率も落ちてしまいます。そこでおすすめなのが、下のようにキーワードの訴求別にLPを出し分ける戦略です。
メリットは、よりユーザーそれぞれのニーズにマッチしたLPを掲出できること。ユーザー像(ペルソナ)を絞り込むことができるので、コピーやデザインも作りやすくなります。LPのコンバージョンだけでなく、リスティング広告のCPA(顧客獲得単価)低下に悩んでいる方にも適した施策です。
スマートフォン専用のLPを作る
B to C、特に若年~ミドル層向けの商品におすすめなのが、スマートフォンに最適化されたLPを制作すること。まだまだパソコン用のLPをそのままスマホサイズにしているだけの企業が多い業界なら、それだけでコンバージョンアップが期待できます。
スマホ専用LPならではの制作ポイントが次の3つです。
〈1〉コピーや文章は簡潔にして読みやすく
スマホは単純にパソコンより画面が小さいため、文字の詰まった画面や、一文が長い文章は避けられる傾向にあります。LPのコピーも、内容とともに「読みやすさ」を意識することが大切です。
〈2〉表示速度を上げて待ち時間を与えない
ページを開いたときに画面の表示速度が遅いと、そのまま閉じられてしまう可能性が高くなります。画像ファイルやソースのJavaScript・CSSを圧縮するなどして、「待たせない」工夫が必要です。
〈3〉CTC(Click to Call)を設置する
パソコンと違い、そのまま電話として使えるのはスマホの大きな特徴です。生かさない手はありません。CTCとはクリックすると架電できる画面が立ち上がる機能のこと。電話番号の表示部分に設置することで、電話注文がスムーズに行えます。
テスト!テスト!テスト!
最後はある意味、ちゃぶ台をひっくり返すようなアドバイスになってしまいますが、正直、LPのコンバージョンを向上させるのにテスト以上の近道は存在しません。言ってしまえば、ここまで紹介したコツやノウハウはあくまで一般論。本当のユーザーに響くクリエイティブは、実際にLPを訪問したユーザーの反応を確認するのが一番です。
LPのテストの定番が、1つの要素を差し替えた複数のクリエイティブを一度にテストするABテスト。例えばアクションボタンのテストなら、次のようなパターンが考えられます。
ちなみに実際のテストは、ファーストビューやオファーといった、コンバージョンへのインパクトが強い要素から始めるのがポイントです。また、マーケティング全体の効果を上げるためには、LPでなくリスティング広告やバナー広告のテストも欠かせません。
まとめ
以上、基本的なものばかりではありますが、LPの制作におけるコツやノウハウを紹介してきました。大切なのは、ユーザー視点に立ち、「疑問・不安」「迷い」「ストレス」を与えることなくコンバージョンへと導くクリエイティブを作ること。そして完成後もテストを繰り返すことです。
他のWebツールと同様に、LPを取り巻く状況も日々進化しています。もし、少しでも自社での制作や運営に不安をお持ちでしたら、ぜひ一度私たちにもご相談ください。下の「お見積もり」ボタンをクリックしていただくと、弊社電話番号とお問い合わせフォームを掲載したページに移動します。どんな些細な質問でもお待ちしております!