【わかりやすく解説】実践的な営業戦略を考えるための4つのポイント+1

営業戦略営業戦略は企業の営業活動の核となるもの。戦略なき、場当たり的な営業は、たまたま上手くいくことはあっても決して長続きはしません。とは言え、その必要性は理解していても、「どこから手を付けたら良いかわからない」「本やセミナーで概念は学んだけれど、自社にうまく落とし込めない」と困っているマネージャーや管理職の方も多いでしょう。

そこでこの記事では、実際に自社の営業戦略を考える際に役立つ考え方のポイントを4つ紹介します(番外編を入れると5つ)。できるかぎり専門用語や概念的な言葉は使わず、シンプルでわかりやすい説明を心掛けておりますので、「営業戦略って何?」という方もぜひお読みください。

 

《ポイント1》「誰に何をどのように売るか」を考える  

営業戦略についての本やWebサイトを開くと、3Cや4P、SWOT分析、VRIO分析・・・等々、様々なフレームワークが紹介されています。しかし実際に営業戦略を考える際には、必ずしもそれらを使う必要はありません。慣れないうちはフレームワークを埋めること自体が目的になってしまい、実効性のない、形だけの営業戦略が出来上がってしまうことが多々あるからです。

そもそも営業戦略は、それほど複雑なものではありません。シンプルに本質だけを取り出せば、「目標(売上/利益)を達成するために、誰に何をどのように売るか」ということです。ちなみに「誰」はターゲット、「何」は商品・サービス、「どのように」は価格や売り方、セールスや販促手法にあたります。

また時々、営業戦略と営業戦術の違いについて質問を受けることがありますが、営業戦術は営業戦略を実行するための具体的な取り組みや計画を指します。例えば営業資料やセールストークの内容、チーム編成、アクションプランやスケジュールなどです。

戦略・戦術の全体像を図にすると、次のようになります。

実際に営業戦略を考える時も、まず目標となる数値から決めます。それから、それを達成するために
「誰に何をどのように売るか」=営業戦略を考えるのが正しい順序です。

 

《ポイント2》社内を巻き込む「説得力」を出す

営業戦略は企業の営業活動の方向性を指し示すものですが、同時に、部署やチームのメンバーを行動へと促す「メッセージ」でもあります。当然ながらそこには周囲を納得させ、巻き込み、目標達成のために奮い立たすことのできる「説得力」がなければいけません。

説得力のある営業戦略に必要なのが、次の3つの要素です。

  1. 市場における商品・サービスの需要
  2. ターゲットのニーズ(欲求)あるいは課題(悩み)
  3. 競合の規模や戦略

つまり、市場・ターゲット・競合のリサーチです。目的は戦略の「勝算」を示して、説得力を後押しすること。目標に対して市場規模が小さ過ぎれば達成は見込めませんし、ターゲットにマッチしないプロモーションをいくら実施しても効果はありません。また、競合の規模や強み、戦略がわからなければ、自社の戦略の有効性を測ることも不可能です。

説得力のない営業戦略は見かけ上どんなに立派でも、早晩「絵に描いた餅」と化してしまいます。これでメンバーは動いてくれるか、メッセージとしての力はあるか、といった視点で考えることも大切です。

 

《ポイント3》独自性・差別化で競争優位性を持つ

あらゆる業界で商品・サービスのコモディディ化が進む現在。社内に向けてキモとなるのが説得力なら、競合との戦いにおいて重要なのがポジショニング=独自性・差別化です。顧客のニーズや欲求にマッチする差別化ポイントを見出し、アピールすることができれば、圧倒的な競合優位性を獲得することもできます。

有効な差別化ポイントは業界・商品によって異なりますが、一般的には次のようなものが挙げられます。

  • 品質…例:希少な素材を使用、お子様にも安全
  • 技術…例:AI搭載、すべて職人による手作り
  • 売り方…例:初回のみお試し価格、会員は毎回20%OFF
  • 保証…例:万全のアフターフォロー、効果がなければ全額返金
  • スピード…例:最短〇日で納品、即日対応
  • 利便性…例:目利きがおすすめをチョイス、ワンストップで提供
  • 顧客対応力…例:24時間チャットで対応、会員限定特典

他にも、商品の使用シーンや顧客層をセグメント(分割)することで、商品や自社の独自性を際立たせる方法もあります。

  • 使用シーンセグメント…例:朝専用の青汁、読書用まくら
  • 顧客セグメント…例:士業専門のマーケティング会社、勉強嫌いの子どものための学習塾

差別化ポイントを考える際に大切なのは、「ひとりよがり」「自社目線」にならないように注意することです。例え競合とポイントが異なっていても、顧客(ターゲット)にとって価値がなければ意味がありません。そのためには、《ポイント2》でも挙げたターゲットのニーズ(欲求)や課題(悩み)を深くリサーチし、それにもとづいて考える必要があります。

 

《ポイント4》「やらないこと」を決めて効率化を図る

営業戦略を考える際に意外と見落としてしまいがちなのが、営業プロセスや日常業務の効率化です。しかし、戦略を決めて動き始めた途端、忙しすぎて思い通りに進まない、という状況は往々にしてあるもの。特に人員が限られた中小企業では、思い切って「やらないこと」を決めることも重要です。

例えばB to Bビジネスのような、対面営業の依存度が高い業界。確かに対面には対面ならではのメリットはありますが、数打ちゃ当たる方式で受注確度の低い顧客まで訪問していては、ムダなコストがかさむだけです。その代替策として、近年注目されているMA(マーケティング・オートメーション)ツールを導入してWebからのリード獲得を強化し、確度の高い見込み客のみに絞って訪問するという方法もあります。

 

MA(マーケティング・オートメーション)ツールとは

Webでのリードジェネレーション(見込み客の獲得)からリードナーチャリング(見込み客の育成)までを自動化できるシステム。Webサイトの閲覧履歴やメルマガの開封率などから、顧客一人ひとりの見込み度合いを把握することができます。

他にも、個々の予実管理や進捗状況を一元管理し、営業全体の動きを「見える化」できるSFA(営業支援)ツールを使えば、営業管理の効率化が図れます。もちろん、必ずしもこうしたツールやシステムに頼る必要はありませんが、「やらないことを決めるのも戦略のひとつ」であることは、ぜひ認識しておいてください。

 

《番外編》どうしても自社で営業戦略が立てられない場合は・・・

本来、営業戦略は社内で考えるのがベストですが、慣れないうちは想像以上に時間がかかってしまったり、満足いく仕上がりにならなかったりすることが少なくありません。どうしても自社では厳しそうな場合は、外部の営業強化コンサルティングに相談するのも一策です。

業者によってサービス内容は様々ですが、営業戦略の策定だけでなく、それにともなう営業プロセスの設計から、スタッフ一人ひとりのスキルやモチベーションの向上まで請け負っているところもあります。営業強化コンサルティングの具体的なサービス内容や料金体系などについては、こちらの記事で紹介していますので参考にしてください。

 

まとめ

今回は営業戦略を考える上で必要な考え方を紹介してきました。規模の小さい会社であれば、営業戦略はそのまま経営戦略にもつながるほど重要なものです。「手当たり次第リストにテレアポする」というような、対処療法的で場当たり的な状況を招かないように、しっかりと考えましょう。
 
また当然ながら、営業戦略は立てて実行するだけでは意味がありません。定期的に見直し、目標達成が厳しそうであれば早期に軌道修正する必要があります。そうした検証のポイントも、今回触れられなかったKPIの設定方法とあわせて、また別の記事にて紹介できればと思います。

もし、自社だけで営業戦略を考えるのが難しいという方がおられましたら、ぜひ私たちにもご相談ください。下の「お見積もり」ボタンをクリックしていただくと、弊社電話番号とお問い合わせフォームを掲載したページに移動します。どんな些細なご質問でも歓迎です。ご連絡を心よりお待ちしております。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

0120-62-3769電話番号リンク 問い合わせバナー